ーオノミックの服ー
オノミックの服は、古い着物から私が一人で、一つ一つ仕立てています。
着物に使われる素材や柄、色あいや織り方、風合いはさまざまです。
その布地の特徴にあった服作りを心掛けて制作しています。
ー古い着物との出会いー
2004年、当時はまだ珍しかった着物専門のリサイクルショップで古い着物と出会い強い衝撃を受けました。
日本人であっても現代では日常で着物を着る人、着物に感心がある人は多くはないのです。私もその一人でした。
伝統的で大胆な柄や独特な色あい、繊細な織りなど古い素材でありながらも力強く美しい日本の布地の持つ力に新鮮な驚きと感動、強い衝撃を受けたのでした。
私はすぐに古い着物を再利用した服作りを思いつき、早速この店で何着かの着物を入手しました。
しかし仕立て屋に着物の洋服を注文するには私には高すぎる値段でした。
そこで、自分のシャツやジャケットを解体し、構造や縫製を独自に研究し独学で服作りを始めたのでした。
始めは失敗の連続でしたが最初に完成した自分用の着物シャツは今でも大切な一枚です。
その後インターネットでの新作発表や販売、年に数回の期間限定ショップを開催するなどの活動を続けています。
ー着物が洋服に生まれ変わるまでー
骨董市やアンティークショップ、オークションなどで仕入れた着物を一点づつほどいて行きます。
ほどかれた着物はいくつかのパーツに別れます。
これらの布地を洗います。
着物の布地は洗うことによって縮む物もありますから、アイロンで地直しをします。
布地の上にパターンを置き、古い傷や汚れをよけながら柄の流れや配置を工夫しながら裁断して行きます。
ほとんどの場合が一つの着物から一つの服しか作ることが出来ず、世界でたった一枚の特別なアイテムとなります。
オノミックの服を通じて日本の伝統を感じて頂き楽しんで頂ければ嬉しく思います。
オノミック 先﨑広一